光とともに 12―自閉症児を抱えて (12)
戸部 けいこ
最新刊が出たので早速Amazonで購入。昼休みなどを使って一気に読んだ。
光くんは中学生になった。ママもパパも、光くんとの生活の積み重ねで、すっかり彼とのやりとりを楽しんでいる。もちろん、社会との関係で、将来への悩みは大きいけど。
戸部けいこさんは各地の様々な発達支援施策やサービス、当事者に、緻密で丁寧な取材をされて、この作品を描かれているというのがよくわかります。実際わたしの勤務している市で自閉症の方の家族会が設立して、いまや市になくてはならない
発達障害支援のサポートセンターは、光くんが週に1度放課後に利用している「おひさまハウス」というセンターのモデルとなっているのです。
そんなこともあって、数年前、この家族会が主催で市が応援させてもらって、戸部けいこさんの講演会を行ったとき、同じ会議室で、同じ弁当を食べたことを思い出します(笑)。静かだけど、芯のある、素敵な方でした。
今は「デキる女」の代名詞にもなってしまった篠原涼子が、光くんのママ役でドラマにもなりましたが、このドラマの篠原涼子がとても好きでした。先生役の小林聡美は最高でした。そういえば、篠原涼子はおめでたなんですね。(脱線)
そんなわけで、発達支援を業務のひとつとして行っているわたしの職場では、この作品は、自閉症や発達障害を理解するバイブル(裏本?)として、読まれています。
夏に職場で行われて、家族で参加した「
ふれあい囲碁」のイベントにも、自閉症の子がたくさん参加していて、囲碁盤を挟んで対等に真剣に、大人と向き合っていました。毎日向き合い、生涯を共にするご家族には並々ならぬご苦労があると思います。わたし達ができるのは、「理解し、共に生きること」なのかな。ありのままを認め受け入れていくことは、勇気のいることだけれど。
どの子もみんな、大事な命だもんね。みんなで見守り、育んでいこうね。